ドラマや映画も多数作られている『シャーロック・ホームズ』シリーズ。
「シャーロキアン」と呼ばれる熱烈なファンも多くいることから、世界中に愛されているミステリ小説であることが分かります。
私も映画は少しだけ観たことがありますが、面白いですよね。
ですが原作は読んだことがなかったので、今回は以前から気になっていた『緋色の研究』を読んでみました。
今回『緋色の研究』を読んでみて気づいたのは、フリーランスのような、孤独と闘う職業には忍耐力が必要だということ。
フリーランスを目指している方や、孤独な作業に疲れている在宅ワーカーの方は、気分転換に一度読んでみてはいかがでしょうか。
ホームズの仕事論を通じて何か新しい発見があるかもしれません。
『緋色の研究』とは

『緋色の研究』はシャーロック・ホームズとワトスンの出会いが描かれた記念すべき巻。
ですから私のようなシャーロック・ホームズについて詳しくない方でも、ワクワクしながら読めると思います。
【著者】
アーサー・コナン・ドイル
【あらすじ】
下宿を探していた、元軍医のワトスン。同じ時期に下宿の同居人を探していたシャーロック・ホームズを紹介され一緒に住むことに。ある日、アメリカ人旅行者の奇妙な遺体が発見され、ホームズはワトスンと共に犯人逮捕に奔走する。
ホームズの職業「探偵コンサルト」とは

『緋色の研究』のなかで、ホームズの仕事は「探偵コンサルタント」とされています。
探偵コンサルタントとは、捜査に行き詰った警察や、一般の依頼人に事件を解決するためのアドバイスをする職業。
ホームズの場合、どこの組織にも属さずこの仕事をしているので、いわゆるフリーランスといえるでしょう。
探偵コンサルトという職業は、ホームズいわく、同業者がいない仕事。
そのため捜査に行き詰まっても愚痴をいったり、相談をしたりする仲間がいません。
また「手柄はいつも警察のものになる」と自嘲気味にワトスンに話すホームズの姿からは、組織に属さないホームズが公の場で評価されることは少ないということが分かります。
そしてフリーランスで生活していくためには、実力が必要です。もしホームズの推理力が衰えると、どうなるでしょうか。警察も一般の依頼人もホームズを訪ねてこなくなるでしょう。
つまりフリーランスは、相手や自分次第で仕事がなくなる可能性が常にあるということです。
実力をつけるには忍耐力が必要

物語のなかでホームズは自分の専門である「推理と分析」について、つぎのように語っています。
他のあらゆる学芸と同じく、この<推理と分析の科学>も、長く、忍耐づよい研鑽を重ねて、はじめて身につけられるものであり、生身の人間がその頂点をきわめようとするのには、人生はあまりにも短い。
アーサー・コナン・ドイル(2010年)『緋色の研究』(深町眞理子訳)東京創元社 36Pより引用
この言葉は、ホームズが今まで多くの時間を分析や観察に費やしてきたことを物語っています。
いつでも無職になる可能性があるフリーランスの大変さを知っているからこそ、彼は自己研鑽を惜しまなかったのかもしれません。
ホームズにとって「推理」や「観察」は自分の好奇心を満たすライフワークでもあります。とはいえ、研究が思うような結果にならなかったり、推理が上手くいかなかったりすれば嫌になることもあるでしょう。
ホームズはなぜそれでも努力し続けられるのでしょうか。それは、彼に忍耐力があるからだと思います。
ホームズのように努力し続けたい
私はこの本を読んで、ライターやアフィリエイターなど、ネットで活動するフリーランスにも同じように忍耐力が必要なのではと感じました。
文章術はすぐに身につく技術ではないし、ブログ運営もすぐに稼げる仕事ではないからです。
たとえばブログで収益を上げるには一般的に最低でも3か月から半年ほどかかるといわれていますが、稼げるようになる前に辞めてしまう人が多いのだとか。
私もブログをこうしてブログを書いていますが、思うような文章が書けず、もどかしさを感じることがよくあります。
それでも私はライティングが好きなので、ホームズを見習って忍耐強く書き続けよう。『緋色の研究』はそんなふうに思わせてくれる本でした。
ですから私と同じように仕事や勉強で、もどかしさを感じている方にはぜひ一度読んでみてほしいなと思います。